映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

神代辰巳監督「棒の哀しみ」3052本目

30年近く前の作品。そうそう、昔はやくざさんはパンチパーマだった!髪型を見るだけで、誰とぶつからないようにすればいいかわかった時代でした。甲子園球児の坊主頭みたいにわかりやすかった。いつから誰もパンチにしなくなったんだろう。インテリやくざと呼ばれる人たちが出てきて、チーマーとか半グレとかが組織暴力へ移行するようになってからかな。文化人類学だわ…。

奥田瑛二は、鼻っ柱が強くてしょうもないけど色気のある男を演じさせたら一流。白竜もなんとなくリアリティがあっていいです。怖い役しかしない俳優ってイメージがあるけど、私は1984年に日比谷野音で行われた内田裕也のロックフェスでミュージシャンの彼を見ている。あんまり歌は歌ってないのかな。

奥田ヤクザは、ひたすらひとり言を言い続けるのが面白い。彼の解説もあって、当時の日本のひとつのやくざ文化を勉強させてもらった感じで興味深い作品でした。

「風呂に沈める」「シャブ漬けにされる」ってのは今もあるんだろうか。針と糸で適当に傷口を縫えばうまくくっつくんだろうか。(どれくらいリアルで、どの辺がフィクションなんだろうなー) 

棒の哀しみ

棒の哀しみ

  • 奥田瑛二
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