映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ウディ・アレン監督「マジック・イン・ムーンライト」3055本目

コリン・ファースの役柄に既視感がありすぎるなぁ。でもソフィの霊感を信じるようになってからの後半は、完全ウディ・アレンの憑依状態になりました。ということは英国紳士はニューヨーカーが頑固になっただけってことか…?

エマ・ストーン可愛いですね。明るくてさわやかな上に、白のワンピースと花で飾った小さい帽子、という服装が可愛すぎる。エル・ファニングの可愛さに通じる。小さい女の子みたいなあどけなさ…(ウディ・アレンの小児性愛を糾弾するドキュメンタリーを思い出してしまった。彼は間違いなくヘンタイだけど、映画は面白い。もしかしたら、面白い映画を撮る人のほとんどがヘンタイで、ヘンタイをみんな捕まえたら退屈な映画しか生まれなくなってしまったりするんだろうか)

といってもこの作品は、最後にどんでん返しがあるほかは、ストーリーにそれほどヒネリがなく、会心の作!ってほどではなかったかな。コリン・ファースの英国紳士キャラに頼りすぎた部分がある。ケイト・ブランシェットが堕ちていく女をやる、みたいな意外性があると冴えるんだ。いっそのこと、最後まで偽中国人でいてくれたほうが良かったってことか?