映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ソフィー・フーバー 監督「ブルー・ノート ジャズを越えて」3078本目

ジャズが大好きだけど自分では演奏しないドイツ人たちが始めたレーベルなんだって。知らなかった。その属性だけ見ると、「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」を撮ったドイツ人映画監督ヴィム・ヴェンダースを連想します。ドイツなまりの若者たちがやってきて、赤字覚悟でレコードを出そうと言い、ミュージシャンたちに愛された。音楽を愛する気持ちは肌の色でも国籍でも、楽器ができるかどうかでもない。いい話だなぁ!

それにしても、80年代にスタイリッシュなアシッド・ジャズの「Was (Not Was)」っていうバンドをやっていたジョン・ウォズが何で出てるんだろうと思ったら、彼が今はブルーノートの社長!?ジャズを愛しプロデュース能力のあるビジネスマン、ということでぴったりだったのかな。1992年にロンドンでダイアー・ストレイツのオープニング・アクトで彼らの演奏を見た記憶がある。

ヒップホップでブルーノートの音源が使われた話も、やっぱり本当に尖ってて良いものはいつ誰が聴いても残るんだなと実感。

最後に「今の」ブルーノートがノラ・ジョーンズを見い出して(印税担当の女性が「友達のミュージシャンを紹介したい」って、これもいい話だなぁ)大ヒットさせたエピソード。私もあのアルバム買ったし聞き込んだ。 

ブルーノートのレコードは、ほんとにカッコよくて自分にはまだ早いような気になってたな。で、結局真剣に聞かずに今まできてる。しかし聴覚は確実に老化していくので、映画ばっかり見てないでもっと少しでも若いうちにいい音楽を聴くべきかもな…。