東田直樹さんの本を読んで、閉じてた目を開かれたくらい驚いたし感動したのを覚えてます。
彼の最初の本を英訳したイギリス人男性のおかげで、東田さんのことも自閉症のひとたちの心の中のことも、世界が知ることになったのでした。
この映画は、東田さんの言葉(英訳)をナレーションとしてはさみながら、若いイギリスの自閉症の人たちの日常生活を追います。見ていると、親密であたたかい気持ちになるのはなぜだろう。。。私は疾患だと診断されたことはないけど、喋るときにときどきつっかえるし、がんばりすぎて周囲の人たちとうまくいかなかったりという生きづらさをよく経験するので、私のことまで代弁してくれてるように思えてしまう。
まったく意思の疎通など不可能だと思っていた相手と会話が通じたときの感動ってすごいのだ。認知症になってからの父も、認知症カフェのおばちゃんたちも、なんならうちの猫だってそうだ。声を出せるのに聞いてくれる人がいない、という人もいる。誰かと一瞬でも「通じ合った」っていう小さい感動を、生き急いでると経験しにくなってしまう。苦手だけどこれから先は、もっと人間ひとりひとりとまじめに向きあっていきたいな…と思わせてくれる、やさしい作品でした。