映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

想田和弘監督「選挙2」3090本目

「選挙」をだいぶ前に見たら面白かったのだ。頭数(議席数)を埋めるためだけに当選した感じだった前回の選挙。そのときの任期を終えてしばらくしてから、山さんふたたびの挑戦。

…山さんってJolly good fellow的ないつもニコニコしてる男なんだけど、本当はいろんなことに怒っている。全然選挙活動しないで出馬することも、字だらけのポスターや選挙公報も、実は自分以外の人たちを上から見下ろして「どうだ、投票してみろ」って言ってるみたい。議員になりたいんじゃなくて、自民党的な選挙活動をしないとこんなことになるんだ、と見せつけてやるためにやったのかなと思えてくる。

家族にも愛想はいいけど、たまに「息子がうるさいからおとなしくさせろ」って妻に命令したりする。本当はきっとすごくガンコで折れない人なんだろうな。常に人当たりが柔らかいから、あまり人に嫌われないだろうけど。東大に入るまで何度も受けなおしたという経歴とか、なかなかガンコさを思わせる。(私も曲げないところがあるから、なんとなくわかる…)

実験としては前作と同じように面白かったけど、自分の人生を実験材料にするのって苦労すると思う(私もだ)。これこそ自分の天分だと思えることに精進しつづける人生に憧れますよね‥‥(なんとなく、山さんに向かって)

選挙2

選挙2

  • 山内和彦
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