映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ウォシャウォスキー兄弟(当時は)監督「マトリックス」3097本目

マトリックス第一作を見直してみる。これ初めて見たとき盛り上がったな~。初見のときの気持ちを思い出しつつ、ビールでも飲みながら堪能するのが週末の楽しみってもんです。

反転したグリーンのカタカナが降り注ぐ冒頭の画面、ここにまずシビれたっけ。

電話ボックスという、2021年の現在もはや子どもたちは存在も知らないようなアナログな物体がサイバースペース(これも死語)への伝送手段だなんて。なんて魅惑の世界なんでしょう。鳴り続ける電話のベル。

青白いキアヌ・リーヴスのネオはアメリカのオタク少年っぽくて、キャリー・アン・モスのトリニティはやっぱり凛々しくて綺麗。ヒューゴ・ウィーヴィングはもはやエージェント以外の何者にも見えない。

最先端のコンピュータ会社のブースにあるPCディスプレイは14型くらいのCRT(このあたり、めちゃくちゃ既視感あるな、当時私も似たような会社にいた)。モーフィアスはもうローレンス・フィッシュバーンというよりモーフィアスだ。

培養液から生まれ出たネオの筋肉を鍛えてたのが、その後、腹筋増強装置として売られたシックスパッドのEMSだな。強くなってからの、初代PSのゲームみたいなモーフィアスとネオの戦いも、じつに楽しい。

預言者がマンションの一室に住む普通のおばちゃんで、エプロンをしてケーキを焼いていたのもすっごく新鮮だった。こういう「一見凡人の超人」も、その後いろんな映画で繰り返された…(いや、「オズの魔法使い」のほうがよっぽど先か)

ビルの1階で柱を打ちまくると、表に貼ってある医師がどんどん壊れてコンクリートがむき出しになるのも印象に残ってる。

最後までガッツリ楽しませてくれたな~。これこそまさにクラシック。そして、キアヌ・リーヴスの最高傑作です。

マトリックス (字幕版)

マトリックス (字幕版)

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