映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

野村芳太郎監督「疑惑」3106本目

桃井かおりと岩下志麻、真骨頂だなぁ。森田健作、若いなぁ。(桃井かおりと1歳しか違わないのに、現在の桃井かおりは若すぎる…さすがSK-Ⅱ…)

この作品は松本清張自身が脚色もしたらしい。あて書きしたのかと思うくらい、それぞれの登場人物のアクが際立つせりふ回し、さすがです。

どうもこの女、桃井かおり演じるクマ子、投げやりで悪いけど何となく、悪知恵を回すというよりその場その場の空気を支配することでずっと乗り切ってきた感じがあります。この人はもしかしたら、とんでもない性悪だけど人を思い通りにする自信があるから、殺すような面倒はしないんじゃないか。

一方の弁護士、岩下志麻もじつに嫌な女。両方とも、いそうなんだよな~、ちょっと大きい会社ならどこでも。つんけんしてて上に受けのいい、できる女と、誰にでもしなだれかかるけど仕事に興味のない女。二人とも悪気はないところがたちが悪い…。

どっちが好き?っていう質問が心理テストに使えそうな気がするな。私は印象のうすい事務員で一生いいです…。

疑惑

疑惑

  • 桃井かおり
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