映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

新藤兼人監督「さくら隊散る」3121本目

これもずっと見そびれてたやつ。桜隊というキュートな名前の演劇団が、まさに原爆投下の日の広島に公演に来ていて、被災してみなさんお亡くなりになった…と聞いただけで切なくてたまらないですね。

彼らを直接知る人たちは証言者として実名で登場し、亡くなった方々は他の人たちがリアリスティックに、ときにちょっと露悪的な感じに、演じています。

亡くなった方々は、終戦より前の映画などがあまり残っていないこともあって、私は知らなかったけど、彼らのことを語る俳優さんたちも故人が多い。

葦原邦子って懐かしいなぁ。私が小さい頃やさしいお母さん役をよくやってた。小沢栄太郎も、杉村春子も、殿山泰司も、宇野重吉も、長門裕之も、監督の新藤兼人ももういないしな…。たまに、懐かしい俳優さんたちや歌手が出てるテレビ番組がまだ続いていて、家に帰ってきたら家族で見ている…なんてことを思い浮かべたりする。

改めて、原爆は絶対に使う誘惑に負けてはいけない地獄の攻撃方法だったと思う。だけど、無人ドローンならいいのか、とか、どんなものであっても「良い武器」があるとは思えない。せめて素手で?という問題でもないよな…。なんかもう泣きそうです。