映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

アンジェリーナ・ジョリー・ピット監督「白い帽子の女」3183本目

冒頭の、オープンカーで風光明媚な土地を走りゆくブラピとアンジー。フランス映画みたいだ…。このときアンジーの名義には「ピット」が入っている。几帳面な。

彼女のプロフィールを見ると、10代の頃に鬱をわずらったなど、この映画の主人公をほうふつとさせる情報がいくつかある。でも、自伝的作品と言ってしまうとあまりにも単純すぎる気もする。彼女は、アンジェリーナ・ジョリー(・ピット)版「こわれゆく女」(ジョン・カサヴェテスとジーナ・ローランズのやつね)を、自分なりにリアルに作れると思ったのかも。なんて考えてみたり。

「こわれゆく女」は繊細な妻が美しかったけど、女性から見て共感できる部分はほとんどなかった。一方この映画には、終わりかけている関係にすがりつく、とまで言わないまでも、”あのすばらしい愛をもう一度”と夢みている女性のリアリティがあります。共感しようにも、ここまで豪華にかつ狂おしい思いなんて、したことないからわからないけど。

この映画に出演するブラピの男気に拍手を送りたいです。

白い帽子の女(字幕版)

白い帽子の女(字幕版)

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