映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ニック・エベリング 監督「デニス・ホッパー/狂気の旅路」3193本目

キューブリック関連で「愛された男」「魅せられた男」というドキュメンタリーがあるように、デニス・ホッパーにも彼のドキュメンタリーを語る右腕がいたんですね。その名はサティヤ・デ・ラ・マニトウ。友人でありながら私設秘書みたいな役割をやってたようです。

デニス・ホッパーってイカれててヤバいおじさん、と認識しているのは「ブルー・ベルベット」で彼を知った世代だからだろうな。「イージーライダー」はずっと後に知ったけど、中年でヤバい彼も、すっごくチャーミングでした。彼はどの写真でも映像でも、とにかく、なんかいいんですよね。美形とか二枚目とかじゃなくて、人を惹きつけるものがある。説明しづらいけど、彼の周囲にいたいという人が大勢いたのがなんとなく共感できてしまう。

ジャンキーでダメで、カンがよくてユニーク。ある程度の年齢になってくると、立派でカッコ良くて、たくさんの人を助けた人より、憎めなくてつい助けてしまうような人のほうがえらい気がしてくる。後者のほうが、人々の愛情や笑顔を喚起できるから。長くても短くても、一生なんてせいぜい数年から100年くらいなんだから、何かに夢中になったり感動したりできる時間を、できるだけたくさん持てるといいと思う。

批判的に見られることも多いけど、やっぱりチャーミングなおじさんでした。彼のいいところを思い出させてくれて、ありがとうサティヤ。

「ホドロフスキーのラストムービー」見てみたかったな…。(注:デニス・ホッパー監督作品の中でとても出来がよくないと私が思っている作品なのですが、あのホドロフスキー監督が編集したバージョンが存在するらしい)