映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

佐藤肇 監督「黄金バット」3208本目

「濫読(乱読)」に匹敵する「どんな種類の映画でも見る」という言葉が欲しい。この作品もU-NEXTにあったので見てみました。アニメもあるようだけど、これは実写版。テレビドラマだけだと今VODで見られるものは少ないけど、映画化されてたおかげで見る機会があって嬉しいです。

私の子ども時代より前の作品なので、「黄金バット」と言われると「金属バット」?と思ってしまうのはさておき、黄金バット役の役者の名前が「ミスター黄金バット」って…リアル版のタイガーマスクのような…?

登場人物のキャラがみんなしっかりしていて、まるでハリウッド映画みたいに絵になります。若くて熱いサニー千葉(R.I.P 合掌)、お人形みたいに可愛いエミリーちゃん、アイドルっぽい風貌の風早アキラ、いつも怒ってるみたいで怖いけど美しい秋山ナオミ。幼児番組に出てくる怪人みたいな「ナゾ―」の造形も素敵。

そして、一番のヒーローがなぜか全く華のない、地方まわりの売れない演歌歌手みたいなギラギラの衣装を着た、アバラ骨の浮いたガリガリの「ミイラ」…。乾燥してるのでゾンビ化をまぬがれているとはいえ、高笑いの声も悪役感バリバリ。敵でさえイカ焼きみたいな可愛い形なのに、このギャップ感。アンチヒーローの元になったのは当然「バットマン」だろうな、と思ってwikipediaを見たら、黄金バットの登場した原作は昭和初期の紙芝居らしい。こっちが元ネタか!?

最後に達筆な文字で格言を置いて去っていく黄金バット。バットって英語だから、第二次大戦中は「黄金こうもり」とか呼んでたのかな。。。

ああ面白かった!

黄金バット

黄金バット

  • ミスター・黄金バット
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