映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ホセ・ルイス・ロペス=リナレス 監督「謎の天才画家 ヒエロニムス・ボス」3211本目

太陽の塔の内側みたいな絵ばかり一生描き続けた謎の異才、天才というより異端、だと思っていたので、あまりに正統派的な取り上げ方がちょっと意外です。冒頭にタルコフスキーの引用があったり…。

ボスの名字の表記はドイツのボッシュ社と同じで、オランダ人(当時はネーデルランド)。ヨーロッパ一円でキリスト教関連の絵画を描いたが、フェリペ二世が特にひいきにしたおかげで、最も知られた大作の多くはマドリッドにある、そうだ。特にプラド美術館。

こんなに面白いのに、名だたる芸術家の人たちが大真面目に見入ってるんだな。ちょっと嬉しい気もする。芸術は子どもの気持ちになって見ると一番よくわかる、と私は思ってるから。

結局ボスがどんな人物だったのかは全く謎だった。それはそれでよいけど、実物をじっくり見入ってみたいですね。プラド美術館にいつか行って、丸一日かけて、彼の作品の隅々まで、気持ち悪くなるまで見つめてみたい。(でも美術館ではあんまり近くに寄れないから、図版を買って家で見るのかな)

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