映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

才谷遼 監督「ユーリー・ノルシュテイン「外套」をつくる」3213本目

これも公開当時からずっと「見たい」に入れてた作品。とっくにソフト化されてたんだなぁ。

この映画は日本映画なんだな。「ユジクV」の才谷監督がどうしてもノルシュテインの「外套」が見たくて、スタジオに押しかけたということの経緯をそのまま映画として公開した、といった形でしょうか。ソビエト時代のほうが良かった、撮影監督がなくなったからできない、と言われると、いくら待ったところで完成すると思えない…。

これを撮ることでいくらかノルシュテインに経済的な援助を、ということもあったのかな?テーマがテーマなので、壮大な「宿題が済んでないことの言い訳」みたいになってしまって、映画としてはまとめづらいものになってしまいました。

垣間見る、制作途中の「外套」はドキッとするくらい素晴らしいので、現状が残念ではありますが、作る人の気持ちや事情より優先すべきものはありません。ただ、今ならクラウドファンディングとかもやりようがあると思うので、いつか完成したものが見られるのを夢見ていることにします…。