映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ジョセフ・ロージー 監督「唇からナイフ」3233本目

お洒落に決まってるタイトルとジャケットイメージ。冒頭の音楽も、アイドルとポップスの中間みたい。

原題のモデスティ・ブレイズはモニカ・ヴィッティ演じるセクシーな泥棒の名前。いいなぁこの人。何物にも動かされず好きなことだけやってるような、この雰囲気。大きくてとろんとしたまなざし、がっしりしたアゴの線が広瀬すずの15年後みたいな感じ。

ジョセフ・ロージーって「エヴァの香り」「緑色の髪の少年」の監督か。私好みのダーク・ボガートとテレンス・スタンプも出てる。嬉しい。こういう、だらけ切って疲れ果ててるときに見ても全然疲れない映画って嫌いじゃないです。おかげであまり筋が頭に入ってこないけど。

モニカ・ヴィッティ、ダーク・ボガート、テレンス・スタンプを楽しく鑑賞するだけで満足な映画でした。モニカとダークは見てるとなんとなく前のめりしてしまうけど、テレンスはなんとなく野生の荒馬みたいであんまりセクシーにみえなかったな…。