映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

マイク・ホッジス 監督「フラッシュ・ゴードン」3238本目

NHKBSでクイーン特集をやった流れでこれも放送したので、初めて見てみた。

フラッシュ君はクリストファー・リーヴのスーパーマンに似てるな、と思って時代を画印したらスーパーマンの映画が1978年。なるほどの二番煎じ感。(失礼!)

そもそも何でアメコミの映画の音楽をクイーンがやるようになったんだろう。特集番組で、古今東西のミュージシャンや執筆家が熱く思いを語るのを聞いて、「テヲトリアッテ」を聞いてしみじみした後に、これか(笑)。いや、それもこれも含めてのクイーンだから。

宇宙の支配者が中国かモンゴル的なのも面白い。戦前のフー・マンチューやチャーリー・チャンの影響を受けた人が原作を書いたのかな。悪役だけどなかなか強烈です。フラッシュと機内で知り合う美女も、ミン総督の女も、とっても美しいですね。彼女たちの露出の多い衣装や、悪役の装束って、いまどきのロールプレイングゲームとセンスが似てる。エピソードが連なるだけでストーリーに見ごたえはないけど、総天然色のビジュアルが楽しい。

…えっミン皇帝やってるのマックス・フォン・シドーなの?ほんとだ。誰でも良かったのに(←関係者全員に対して失礼) そして味方についてくれる王子はティモシー・ダルトンか。すごい贅沢な配役…。王子(グリーンの、まるでピーターパンのような服装)はなかなか精悍で魅力的。

なんか…楽しいな、この映画。羽虫の群れみたいに赤い空を埋め尽くす戦隊とか…。ビジュアルが嫌いじゃないです。

クイーンは「主題歌」だけでなく音楽担当というクレジットになっていて、テーマ曲とエンディングテーマのほかによく耳を澄ますとたまに音が鳴ってる。全体的に、音楽はとても少ない。その分、極彩色の画面に集中できる効果を狙ったのかな。

フラッシュ・ゴードン(字幕版)