<ネタバレあり>
ペール先生42歳のときの作品。まだコワイ女が定着してない頃じゃないかな。(私は常にコワイ彼女を期待しすぎてるので、実は純な女性という役も見たくなってきた)
奥様はジャクリーン・ビセットか。若い家政婦はサンドリーヌ・ボネール。そこに郵便局員イザベル・ユペールがからんでくる。…家政婦は一見おとなしそうで、一家惨殺するようには見えない。でもそこをユペールがあおって、二人集まれば怖いものなし。盛り上がって犯罪に走る感じはまるで、不良高校生の銃乱射事件です。まったくひどいんだけど、テルマ&ルイーズの家庭内爆発みたいな感じで、どこかスカッとする。
若干厳しい父親、自分の都合で家政婦に休日も仕事をさせる母親、という設定はあるにしろ、皆殺しにされるほどの家庭ではないのに…というところで「パラサイト」を思い出してしまった。あの映画もこの映画も、殺人者側に肩入れしてしまうとしたら、自分が虐げられた者だと感じてるからだろうか。のんびり映画を見ていられる人は、(私も含めて)彼ら彼女たちから見ればブルジョワのほうだと思うけど。
なかなか最強の二人。そして最後に残り、ひょっとしたら逃げおおせるのは、サンドリーヌ・ボネールのほうなのでした。。。