映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

篠田正浩監督「夜叉ケ池」3263本目

「外科室」の流れで、玉三郎が出演していた作品を見たくなりました。

これは1969年の作品だけど今年リマスターされたらしい。メインは玉三郎と山崎努と加藤剛。なかなか凝った演出がされているけど、村の場面では玉三郎だけ異形のものとして白塗りの顔で演じていて、浮いてる。白雪姫を中心とした池の伝説の世界は、玉三郎&鬼太郎の仲間たちみたいな面妖なやつらで、そこはすごく面白い画面だったので、村の場面もそのくらい思い切って作りこんでもらってもよかったような気がします。

なかなか入り込みづらい異形の世界だけど、独特の面白さのある作品でした。