映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ジョニー・デップ監督「ザ・ブレイブ」3277本目

ジョニー・デップ(若い!)自身がメキシコ人の役だとは気づかなかった。解説を読むまでメキシコ人の中にいるアメリカ人っていう設定だと思い込んでた…。

マーロン・ブランドは薄汚れた老獪な男の役がはまってるけど、どうなんだろう。もっとひたすらお金に汚いだけの男でもよかった気もする。ネガティブな精神性を描こうとして彼の出番はすごく長くなってるけど、スカッと「金を出すから殺されてくれないか?」でもよかったんじゃないか。悪は凡庸なほうが最近はリアリティを感じるんだ…恐ろしいけどそれがリアルなのかも。全体的に、主役の心象風景を作ろうとしているけど、見ている人のスピード感とずれてきちゃってて、ちょっと冗長に感じてしまう。

ちょっと似たテーマでハビエル・バルデム主演の「ビューティフル」の方が痛々しくて胸に迫るものがあったような気がしました。