製作国がフランス・アメリカになってる。名高い英国の美術館なのに。
ロンドンに半年だけ駐在していたのは、なんと、今年でちょうど30年前だ。友達もいないしやることもなく、週末は美術館ばかり行ってた記憶があるけど、テート・ギャラリー(今のテート・ブリテン)、V&Aミュージアムや大英博物館のミイラは記憶があるのにここのことは覚えてない。見たことのある絵が多いと思うのは、多分前後にテレビや本で見ただけだと思う。ナショナル・ギャラリーは私にはちょっと古めかしく思えてたような気がする。どの美術館でも、学芸員のお話なんて一度も聞いた記憶がないのは自分の英語リスニング能力に課題があったからだけど、これほど豊かで濃い内容のお話が聞けるなら、私も参加して一部でもいいから聞いておくべきだった。
新しい作品なら解説なしでお腹いっぱい楽しめるのに、古典は背景があると何倍も面白くなるのはどうしてだろう。
そもそも、フレデリック・ワイズマンが映画化する施設はすべて、真摯で専門性の高いすごいスタッフたちによって運営されているので、この映画の存在自体がお墨付きみたいなものだ。それでも冒頭で内部の人たちが、宣伝が足りないという議論をしている。
3時間もある映画なのに、まったく長いと感じなかった。話が面白くて。教会画の意味合いを「子猫の絵の目の部分を的にして矢を射ることに誰でも抵抗を感じる。宗教画を大切に扱うのはそれと似ている」と説明するのが、まずほーっときた。
7年位前にロンドン再訪したときに「ここに住みたい」とやっぱり思った。ロンドンは何十年も前から私の憧れの町なんだ。もしかしたら、あきらめないで可能性を調べ続けたら晩年の数年間くらい住めないこともないのかもしれないよね…。
ロンドンにあっても、アメリカ人らしき人もいれば、スコットランドかな?というキツイアクセントの人もいた。この映画はさまざまな英語の勉強にもなります!