久々に「非・映画」の感想を書いてみます。
監督に近い立場の演出者をタイトルに3人並べましたが、「脚本家:坂元裕二」ということで見てみる人も多かったでしょうね。
今さら感あるけど、最近見てる「ヒャダインx体育のワンルームミュージック」って番組にテーマ曲(これも評判になった)を作ったSTUTSが出てたので気になったし、同じ脚本家の「花束みたいな恋をした」も見てみたので、という流れで。
「花束」より圧倒的に面白かった。ストーリーはリアリティゼロだけど意外性の強いエピソードがどんどん起こるし、作り自体も工夫だらけ(タイトルコールを主役が場面のなかで言う、テーマ曲を毎週、夫のうち一人がメインのラッパーとして参加して音源も映像も毎回違う、等)、まめ子のファッションが固すぎず、ちょっとハイソだけど相当センス高かったり。去年の映画界は「ドライブ・マイ・カー」が席捲したけど、この作品もドラマに新しい世界をもたらそうとして、作りからやりなおしたという点で、ジャンルは違うけど作り手たちの新しい情熱が伝わってきます。
ドラマって映画より全体の尺が圧倒的に長くて、引き延ばし感がありがちだったけど、こうなると「花束」は凝縮しすぎて物足りない気がしてくる。
そして「花束」も「とわ子」も、喪失~さびしさの中で生きていく物語。今ってみんな寂しいんだな。テレビドラマって特に、今社会全体で、みんなが何を求めてるかが反映される。誰もが、自分はとわ子みたいに美人でもないし社長でもないしバツ3でもないけど、かつて自分を好きになってくれた人がいたり、自分が好きな人がいたという楽しかった部分を思い出そうとしてる。
とても面白かったです。こんなに工夫してドラマを作って届けてくれる人たちに感謝。