映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

シェーカル・カプール監督「エリザベス」3311本目

ケイト・ブランシェットの代表作、まだ見てなかった。

歴史ものだし権力闘争がからむので、大河ドラマといえそうな作品。英国好きなのに世界史はめっぽう弱いので、勉強になります。(誇張や虚飾もあるだろうけど、史実との正誤表みたいなのも調べれば見つかるし)

赤毛だったんだな、エリザベス一世。昔の絵画で見たことがあるような、ないような容貌です。女らしさや色っぽさを感じさせないメイク、広がる高い襟。威圧感あります。周辺諸国にはカトリックが多いのにイングランドはプロテスタント、という背景が少しだけわかったかな…。その後スコットランドとウェールズもプロテスタントの国になったのかと思って調べたら、ウェールズはイングランド同様、プロテスタントが9割以上だけど、スコットランドでは拮抗してるらしい。サッカーでいえばセルティックがカトリックでレンジャーズがプロテスタント。そうなんだ!

彼女はアイルランドの女王でもあったけど、晩年にアイルランドに派兵してカトリックの人々を激しく弾圧したことは、この映画ではまだ描かれません。2022年に、アイルランドの女王がプロテスタント強硬派だったなんて想像もできないけど、この時代に起こったことがその後のアイルランド分断を引き起こしたのは明らかだ。エリザベス一世はイングランドにとってはスペインの無敵艦隊を打ち破ったヒーローだけど、今もアイルランドでは逆のイメージを持たれ続けてるんだろうな。

続編も見てみよう。

エリザベス (字幕版)

エリザベス (字幕版)

  • ケイト・ブランシェット
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