この監督の作品は、なぜかあまり相性が良くないんだけど、安田顕の主役が見てみたくて。
ロケ先の飲み屋のおかみとちょっといい雰囲気になったり、来日して働いてる女の子との芝居が現実とごっちゃになったり。「いとみち」もこの映画も、主役がとても魅力的なので、監督は彼らをただじっと見つめる映画を撮ろうとしてるのかな。
なかなか入り込めないのは、画面のなかのわりと遠くに彼らが常にいるからかもしれない。寄らないんですよ、人物に。ただこれは、劇場で見ると、正直端っこまで目がいかない一方でスクリーン大写しでなくても主役が目に入るので、自宅で見ることで本来の見え方と違ってきてる問題かもしれない。(見たい映画の8割が過去の作品という私にとって、劇場でそれらの作品を見るという選択肢は、偶然のリバイバル上映を除いて、ないに等しいけどね)
<以下、結末近くの筋に触れていないこともない>
麻生久美子も素敵だけど、ガールズバーじゃあるまいし、寂しい独身男にちょっと思わせぶりだよな。あるいは、前に来てから事情が変わったか、俳優だと知ったので急に防御線を張ることにしたのか。花束を持ってきたのはいいけど、もしいい雰囲気になったら「これ勝負おむつなんです」とでも言うつもりだったんだろうか。(※宇宙飛行士の書いた本を読んだら、下半身をあらわにして寸法を測ってもらい、自分に合わせたぴっちりした器具を取り付けるんだそうです、おむつじゃなくて)
最後の砂漠のくだりが、特別だと感じられず、監督?から声をかけられた後もずっと、スタッフやほかのキャストのいない砂漠をうろうろしてるのがよくわからない。振られた彼の心象風景?