映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

マルク・フィトゥシ 監督「間奏曲はパリで」3331本目

ユペール先生の出演作を見るのは、ライフワークの一つみたいになってる。女性としてあっぱれというか…鼻っ柱強くどんな役でも(というか、あえて常にアクの強い役を)演じ続ける彼女をリスペクトしています。

彼女が演じるブリジットはフランスの郊外で牛を育てる農家。たまたま知り合った若者に興味をもって、彼の住むパリをサプライズ訪問してみる!雰囲気は悪くなかったけど、自分が宿泊してるホテルで知り合ったデンマーク人ジェスパーに誘われて、パリの街を一緒に散策する。…そのデンマーク人を演じてるのは、どーも見たことあるなと思ったら、スウェーデンオリジナル版の「ミレニアム」3部作でリスベット(ノオミ・ラパス)にとって重要なミカエルを演じたミカエル・ニュクヴィスト。ミレニアムの著者のスティーグ・ラーソンは3作目を書き終えてから急逝したけど、ミカエルも2017年に亡くなってたんですね。なんてこった…。

全体的には優しい映画でした。特に、地味な生活のストレスに埋没している女性に優しいあたり、荻上直子的(「めがね」とか「かもめ食堂」とか)。この監督は男性の名前だと思うけど。ユペール先生も、気が強い妻の目にも涙、という弱さをちょっぴり覗かせたチャーミングなヒロイン像でしたね。

間奏曲はパリで(字幕版)

間奏曲はパリで(字幕版)

  • イザベル・ユペール
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