映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

レベッカ・ミラー 監督「マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ」3342本目

グレタ・ガーウィグが「出演」してる作品は「フランシス・ハ」しか見てないと思ったら「ローマでアモーレ」にも出てたのね。いずれにしても姿を見るのは久しぶり。

彼女(グレタ演じるマギー)は身近な男性から精子提供を受けて子どもを持とうとしていたら、妻子もちのちょいダメな学者ジョン(イーサン・ホーク)と出会って恋をして略奪婚+ベビー+連れ子たち、という状態へ。ジョンは本を書きたいので仕事を中断すると言うのでマギーは仕事をしながら子育てもやっていて大忙し。前妻ジョーゼット(ジュリアン・ムーア)に会って話したら思いのほかまともな女性だったので、夫を引き取ってくれないかなどと言い出す。

みんな迷い、ふらふらとさまよっている…ブルース・スプリングスティーンの「ダンサー・イン・ザ・ダーク」が何度も何度もさまざまな場面で流れる。どうしたいんだ君たちは。

クミコという日本人女性が、内臓を取り出せるぬいぐるみの特許をもっていて「これで遊べば小さいころから死の恐怖をもたないようになる」と言う。長女が二人の母の話を聞いて「無計画もいいとこ」と言う。マギーは策略を後悔して「これからは仏教徒のように暮らすわ」…。わちゃわちゃ無計画に動き回るのがアメリカ人、落ち着いて達観しているのが日本人でブディスト、っていう感覚なのかな。

みなさんとても低い点をつけていますが、私はまあこれもアリかなと。こんなバカを本当にやる人はいないと思うけど、「こんなにうまくいかないなら、元カノに返してやりたいわ」「元彼に返してやるよ」と思ったことのある人も多いだろうし、実体験としてなくても、映画を見ながら「あーあ別れなきゃよかったのに」と思うことはよくある。1つくらい、それをやってみるバカな映画があってもいいんじゃない?っていう気もしました。