映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

佐渡岳利 監督「No Smoking」3355本目

タイトルなんとかならないのかなぁ?全く内容の想像がつかない、印象も弱いこんなタイトルにしたのは、細野さんのことだからわざとかな?

すぐわかるナレーションは星野源。ぴったりだ。星野源が細野さんに対して持っているリスペクトはあちこちで見聞きしてるし、「あとは頼んだ」と細野さんが言うのにふさわしく、日本の音楽を創造しつづけてる。

私は子どもの頃にクラフトワークからYMOへ流れたクチで、すぐに各メンバーの過去の作品も聞くようになった。やっと「貸レコード屋」ができたけど、聞きたいものぜんぶ聞くお金もなかったので、図書館の視聴覚室で聴いてたな。はっぴいえんどやKYLYN GANDも、面白い音楽だなと思ってたけど、歴史を知るとさらに凄さがわかるなぁ。

細野さんって幕末~明治時代の人みたいだ。伊藤博文だ、津田梅子だ。西洋のものから本気でエッセンスの部分を取り込もうとして成功した、よき時代の先達、って感じで。それは大瀧詠一、松本隆、鈴木茂の全員に言えることだなぁ。

星野源はその後を全速力で追いかけている。その遺伝子を嬉しそうに受け継いでる。

音楽はやっぱり大事だな。人間の五感の、ふだんオフになってるスイッチをしれっとオンにしていく。本も映画も視覚に頼り切りだから、もっと目を閉じて音楽を聴きたいものです。

NO SMOKING

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  • 細野晴臣
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