<ストーリーに触れています>
これも「淀川長治ベスト1000」から。1995年の作品で、原作はスティーヴン・キング。20年前の殺人事件と新しい殺人事件の間に何のつながりが?というテーマの母と子の物語。昔の事件はドロレス(キャシー・ベイツ。迫力ある)の夫殺しの疑惑、今回の事件はドロレスが雇い主の符号を殺したという疑惑。
殺された暴力夫を演じてるのは、「ノマドランド」でファーンを口説いたデイヴィッド・ストラザーン。前の事件も今回の事件も、捜査に当たるのは「ナイヴズアウト」で殺された富豪を演じたクリストファー・プラマー(27年前から驚くほど変わってない)。
事件は2つとも、黒か白か判断がつけにくい。実際に何が起こったかは後半で明かされるけど、スティーヴン・キングは誤解をおそれずにいうと”人情派(人間を信じるというか)”で、人間の愛や知恵や純粋さを重んじる人だと思うので、誰が犯人か(あるいは事故か)とかどういうトリックか、という点がポイントではないのです。
これは母と娘(ともう一人の女性)の愛の物語なんだな。スティーヴン・キングなんでこんなに女心がわかるんだろう…脚本家がいい仕事したのかな。
これは見る前の人には言わないほうがいいのかもしれないけど、「ラストナイト・イン・ソーホー」と比較して見ても面白いと思います。
地味だけど名作でした。