映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ギレルモ・デル・トロ監督「ヘルボーイ」3374本目

アメコミの原作をデル・トロ監督が映画化。でも画面にアメコミっぽさは感じられない。かなり徹底した、いつものデル・トロ監督の世界に仕上がっています。ロン・パールマン(悪夢小路ではサーカスの力持ち)が英雄って、なんか痛快。地獄で生まれた正義のヒーローの映画にこの監督を選んだプロデューサーの選択は、正しい。

この映画には、「シェイプ・オブ・ウォーター」と似た異形の半魚人が登場するので、あの映画の次に見ると安心感がありそう。もっというとパンズ・ラビリンスのパンにも似てる。(演じてるのは全部同じダグ・ジョーンズなので当然か)いや、「シェイプオブウォーター」の前日譚と考えるのも楽しいかも。魔法を使った魔物の召喚、遊園地、地下鉄の駅でうごめく軟体動物も出てくる。魔物のヨロイは体にフィットしすぎて、金属の体のように見えます。デル・トロ監督の大好きなものたちが全面にちりばめられているけど、この監督は意外とエンタメ心も強いから、彼の監督作品よりプロデュース作品のほうが暗く切なく感じられて好きかも、と最近思い始めました。つまり、アメコミの映画化にデル・トロ監督は向いている。この作品ではぴったりはまったんじゃないでしょうか?あんまりほめてる人多くないけど。

(だからって続編まで見る元気は、今はないなぁー)