映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

堀貴秀 制作「JUNK HEAD」3377本目

これもずっと見たかった。「これから見る」リスト数百本の中から、最近話した人がめちゃくちゃほめてたので、これを先に見てみることにしました。

まず造形が本当に素晴らしいですね。キャラクターも、動きも、大道具・小道具も、画面構成も、音のつけ方も、うっとりするくらい美しい。ブラボー、大拍手です。

でもなぜ、途中でなんとなく気持ちが引き気味になってくるんだろう(退屈したと書いてる人も何人かいた)。…多分、キャラクター設定が、どの子もすごく「マヌケな大人」というよりただ幼くて、大人が幼児番組を見ているような状態になってしまうんじゃないだろうか?幼児番組だと思いながら見れば、けっこう楽しめるんだけど、大人の自分の今の悩みを共有したりカタルシスを与えてくれたりすることを期待してしまうと、まるで退屈になってしまう。

主人公がすぐorzの形で落ち込んだり、言い淀み「・・・」がやたら多かったりする感じが、中二というよりもっと幼く見えて、「リトル・チャロ」のチャロみたいだ。(チャロ大好きだけど)この作品は明らかにまだ続きがあるようなので、チャロがやがて飼い主を探しながら成長していったように、この主人公もこれからぐんぐん大きくなっていくことを期待してます。

ギャグで通すなら「キン・ザ・ザ」の方向へ行くか?本気で世界取るなら川村元気みたいな敏腕プロデューサーを入れて、ドラマチックな結末を作るか。いっそのこと「ガラピコぷ~」、じゃなかった(終わったんだった)「ファンターネ」の次の「おかあさんといっしょ」の人形劇として使ってもらっても私は良いと思います。馬鹿にしてないですよ!