1961年の「ウエストサイド物語」は見たのがだいぶ前なので、今は比較できませんが、この作品だけに限っていうと、禁酒法時代の内部抗争を描いた一連のギャング映画の若者版という感じもします。みんな若くてまだ初々しいんだけど、違うグループに対する敵意はけっこう強烈で、人が死んでも反省するより憎しみは倍増する。間を取り持つ者に対しても容赦なく憎悪を向ける。
今スピルバーグがこれをリメイクしたのは、「民族紛争は間違っていることを思い出そう」とか「俺たちみんな他の国からアメリカに来てがんばってやってきたんじゃないか、いろいろあるけど争いはやめようぜ」っていう、何かものすごくシンプルなメッセージなのかな、と考えたりしています。中東系、アフリカ系やロシア系が出てくると今は細かいところまでチェックや突っ込みが入りそうだけど、現在、特別に敵対しているとは感じられないアイリッシュvsプエルトリカンなので、フィクションとして見やすい。
スピルバーグって俳優主義じゃないというか、あまり有名じゃない人をよく使うのは、純粋にストーリーを見せたいからなのかな。そういうわけで、アンセル・エルゴート以外は知らなかったけど、映画としてよくできていたなぁと思います。カメラワークがすごく面白いですよね、冒頭なんかも。高いところから見下ろすとなおさら、狭い小さい町の中の出来事だなーと実感したりします。
でもどうしても旧作と比較しますよね。さっそく私も、数十年ぶり?に見てみようと思います。