映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

大森一樹 監督「ベトナムの風に吹かれて」3391本目

早期退職~貧しいけど楽しい隠居生活…のつもりが、暇すぎて日本語教師の勉強を始めてしまって、今ちょうど教育実習中。お金を取る自信はないので、まずボランティアで教え始めることになったのが、ベトナムから来ている技能実習生の男性。この映画をたまたま見つけて、ベトナムの日本語教師が主役の映画だというので、飛びついて見てみました。

体力も認知能力もカンペキではない高齢の母をいきなり連れてハノイ…かなり無謀だし危なっかしくてハラハラ。でも、囲い込んでまゆの中で大事に守ることだけが愛ではないのかも。若いころから自由気ままなところがあるお母さんだから、連れていけたのかもしれません。松坂慶子のおっとりしたマイペースな感じもぴったりです。

戦争にも日本人父たちにも、日本の技能実習生を受け入れている人たちにも、「どーなのよ?」って言いたくなる場面があるけど、義憤みたいな気持ちでボランティアをするのも、おこがましい。自分だって日本人だし日々お世話になってる。日本に来てくれていることに感謝して、仲良くなりたいっていうワクワク感を持ち続けたい。楽しいと思えなくなったらやめる。

彼らのことや日本語教師のことを知りたくて見たけど、身が引き締まるというか、がんばらなきゃ!という気持ちになりますね…。