タイトルは日本で報道されたときには「男女対抗試合」となってたようだ。これだといまどきの洋画として人気出なさそうだから、原題のままにしたんだな…。この試合のとき、私はもう生まれてるし、クリス・エバートあたりから記憶があるのに、ビリー・ジーン・キングのことは全然知らなかった。この映画で取り上げたボビー・リッグスの2試合のほかに、1992年にジミー・コナーズとマルチナ・ナブラチロワも対戦してたのも知らなかった!
監督は「リトル・ミス・サンシャイン」と「ルビー・スパークス」と同じと知ってちょっと安心。悲惨な結末ではなさそうだ…。
エマ・ストーンっていいですね。ちょっとファニー・フェイスで勢いがあって。彼女の夫ラリー(オースティン・ストウェル)はほんとに好青年だし、彼女が恋をする美容師マリリン(アンドレア・ライブズロー)はフェミニンで繊細。対戦相手ボビー・リッグス(スティーヴ・カレル)は軽妙だし、ライバルのマーガレットを演じてるのはジェシカ・マクナミーという女優だけど、マルチナ・ヒンギス(かつての大選手ね)が俳優に転向したのかと思った。私だけか。
実際にボビーが女子選手に戦いを挑んだ(アトラクション的に)ときの試合は「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」と呼ばれたそうだけど、この映画では異性愛と同性愛という意味での性別のコンフリクトもあるんだよな。ここはちょっと予想してませんでした。ビリー・ジーンが実際に同性愛者だったとしても、対戦前から周囲の人がみんな知っていたり、夫婦間でも動揺があったんだな。
彼女には「絶対勝つ」強い思いがあったし、女が男に負けるというあたまがなかった。その後闘い続けて、まだ今78歳だ。この試合を知らなかった私には十分面白かったけど、アメリカなら、家族のうち、じいちゃんばあちゃんだけでなく、とうちゃんかあちゃんも当時テレビを見たかもしれない。アメリカの一般大衆にショックはなかったから、興行収益が伸びなかったのかもなー、なんて思ってしまいました。