映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

樋口真嗣 監督「シン・ウルトラマン」3403本目

<ネタバレご注意!>

いくつ続くんだ「シン・」シリーズ。でも盛り上がってるみたいなので、何度でも乗ります!・・・というわけで見てきました。

いろいろ笑えたなぁ。Twitterに流れてくるいろんな情報をすでに見てたけど、「巨大な桜井浩子」はそういう意味だったのね・・・。これは、やって良かった。最初のゴーストバスターズのマシュマロマンと同じくらいのインパクト。そもそも、今回の映画化、やたらめったらカメラが人物に寄ってますよね。ベルイマン「沈黙」かよ。人物の大きさ、近さは、それだけでものすごい圧迫感なのだ。大きくて美しい外星人と地球人。

映像よりセリフや文字に物語を語らせるのも、「シン・ゴジラ」からの流れだ。どれだけ俳優たちに暗記させるんだ。でも、戦後すぐの映画を見てると、日米問わず、とにかくセリフが多い。CGがなかったし技術が未発達だったから、というのもあるけど、あの頃の”しゃべくり漫才”みたいな、話芸といえそうなセリフ回しに圧倒されることも多かったので、あれを最新作に持ってくるのは一つのアイデアだと思う。人間のもつ声のパワーは強い。

今回のウルトラマンはタイマーの代わりに体色が変わる。カメレオンみたいだ。そして背中にトサカがなくてツルンとしてる。別に強そうに見えないけど、取っ組み合いで勝つタイプじゃないので、それで合ってる。顏はどこか神永に似てる気がする。私たちがよく知ってるウルトラマンより、宇宙人って感じだ。

中空に浮くゼットンの造形はエヴァンゲリオンを思い出す。いろいろ、いいものを組み合わせて全部のっけて作った映画なのだ。

テレビシリーズの最初からゾフィー、ゼットンまでをわずか112分にまとめたので、短い感じもするけど、現代のウルトラマン入門編か濃いダイジェストみたいで面白かったです。