映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

岡本喜八監督「暗黒街の顔役」3410本目

若い鶴田浩二と宝田明が兄弟。宝田明がジャズクラブで歌う歌もカッコいいです。

この頃の俳優って男性も女性もすごくクールで二枚目。三船敏郎、平田幹彦、白川由美、草笛光子(今とあまり違わないのがすごい。ずー--っとクールビューティ!)、佐藤允、ミッキー・カーティス、夏木陽介。

ただ、どうもみなさん熱くて一生懸命で、とても悪い人たちには見えません。お金に目がくらんで周囲の人たちを殺すとか思えない。アメリカ禁酒法時代を描いた映画みたいに、ギラギラと欲望をたぎらせた表情とか、たくさん血を吸った拳銃とか、そういう怖さがなくて、みんな目がキレイなんだ・・・。あんまり怖いのも苦手だけど、お茶の間で見てもOKなやくざ映画だなと思いました。

暗黒街の顔役