映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

レイナルド・マーカス・グリーン 監督「ドリームプラン」3456本目

原題は「King Richard」。「ドリーム」(「私たちのアポロ計画」から改題、原題は「Hidden Figures」)を思い出します。これは小さい子どもにも見てほしい映画だと思うので、わかりやすい邦題にする必要があったんだろう。

ビーナス&セリーナの怒涛の活躍をもうみんな知ってるので、安心して、期待して、見ることができます。彼女たちを初めて見たとき、今までのテニス選手たちと違う、怖い、と感じたっけ・・・私が大学生だった頃は、テニスってのはスコートからレースだらけの下着をチラチラ覗かせて、花のように蝶のように舞うスポーツだった。(チャラい東京の大学のテニスサークルの場合ね)フィギュアスケートとか新体操の仲間みたいだった。この姉妹を見て初めて、そうかスポーツとして、格闘技みたいに戦ってもいいんだと気づいてはっとした。それがパワー・テニス。彼女たちは短距離のスターみたいだったのだ。

オリンピックに出られる体躯の娘を、オリンピックに出すよりテニスで世界一にするほうが、もしかしたら簡単でずっと儲かると思いついた父はすごい。緻密な計画を立ててしぶとく実現するのも、もっとすごい。だけどだいぶ無理もあっただろう、バレエダンサーのセルゲイ・ポルーニンを家族がどんな犠牲を払ってサポートしたか描いたドキュメンタリーは辛い内容だった。だけど、二人の父リチャードの成果は確かに歴史を作った。賢く強い世界一の黒人女性を二人育て上げて、世界中からの尊敬を集めた。

ただ、その後テニス界が、スポーツ界が変わったのかどうかは、私はスポーツを普段見ないので知らないのだ。歴史として見るときには、今とかこれからのことも知りたいもんです。ネットで調べればわかるかな。。。。(ふがいない)