映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

エド・ウッド監督「グレンとグレンダ」3465本目

KINENOTEの評点の平均がちょっと見たことないくらい低い、現在39.2点(笑)。あのエド・ウッドの監督作品だしな・・・。彼って史上最高にナルシストだし自意識過剰でひとりよがりだけど、そこが面白いのです。素晴らしい人が素晴らしい映画を作るだけじゃなくて、ダメな人がダメな映画を作って、それを何十年もあとに見ることができるって、ほんとに興味深くていい。(書けば書くほど失礼に見えるのが辛いけど、ほんとに面白いのです)

1956年には性転換の医療技術は今より遅れてたはずだけど、今でいうトランスジェンダー、心は異性という人たちにとっては革命的な解決方法に思えただろう。悩み続けている人や周囲の人たちに、映画という形で啓蒙を図ろうとしたエド・ウッド監督の気持ちもわかる。彼自身、女装癖のある異性愛者だったとWikipediaにあるので、生涯をかけた言い訳というか、周囲へ理解を求める説明としてこの作品を作ったのかな。

私は女装癖べつにいいと思うな・・・。可愛い男性もきれいな男性もいいと思うし。エド・ウッドに、妻と子ども連れで堂々とおしゃれして闊歩する「りゅうちぇる」の姿を見て元気づけてやりたかったよ・・・。