映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

フリッツ・ラング監督「地獄への逆襲」3474本目

1940年の作品。原題は単に「フランク・ジェイムズの帰還」なので、また大きく出た邦題だけど、1939年の「地獄への道(監督はヘンリー・キング)」の続編らしい。最初のほうに、幌に「悔い改めよ」と書いた馬車で宣教師があらわれる、象徴的な場面があって、みょうに邦題が生きてるのが不思議。この作品から、カラーです!

主役は悪名高いジェシー・ジェイムズの兄であるフランク・ジェイムズ(ヘンリー・フォンダ)。ヘンリー・フォンダってほんと、息子ピーターより娘ジェーンにそっくりで、あんまり西部の荒くれ者に見えないけど、本物のジェシー&フランク・ジェイムズの写真を見たら、まるでIT社長みたいにすらっとしてるから、これがリアルなのかも。

レインコートみたいに追っ手をコートごと壁に吊るすのって、マルクスブラザーズみたいだな。そういえば同行してる少年クレム役のジャッキー・クーパー(このとき18歳)ってちょっとハーポに似てる。

駆け出し新聞記者で社長令嬢のエレノア(ジーン・ティアニー)、可愛い。元気で生意気ですごく可愛い女の子、っていうアメリカ映画のひとつの伝統(シン・ゴジラで石原さとみが挑戦したやつ)だと思うけど、戦前からこんなにキラキラしてたんだなぁ。

それにしても西部劇の続編をフリッツ・ラングが撮るとは、割り切ったもんだ。と思って「映画監督に著作権はない」を見たら、「面白そうだと思ったんだ。射手座の私は向こう見ずで探求心が強く冒険好きだそうだ」などとうそぶいている。他には初めてのカラー作品での撮影技術についてコメントしてるけど、この映画に割いたページ数は短かったです。

地獄への逆襲(字幕版)

地獄への逆襲(字幕版)

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