映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ガイ・ハミルトン監督「007 ゴールドフィンガー」3476本目

仕事仲間と話してた時にボンドカーの話題になって、アストンマーティン製の初期タイプのことがよくわかる作品として、これが見てみたくなりました。過去に何回も見てるけど、意外と楽しめますね。

1964年の作品・・・この頃の男性映画(戦争やスパイや金や暴力といった、「青年マンガ」によく出てくるテーマの作品)の女性の扱いって、一度寝たら殺される、って感じ。これ、男女が逆だと当時は相当抵抗があっただろうな。

プッシー・ガロアという名のクールな敵方美女も登場するけど、名前が、、、しかし演じてるオナー・ブラックマン、気が強そうで素敵ですね。

ハロルド坂田演じるオッドジョブというキャラクターも印象的。オッドジョブっていう映像制作会社があったけど語源はこれかな。

007シリーズに限らず、スパイ映画の骨格はこのときから変わってないなー。今回の悪役ゴールドフィンガーはずいぶん弱そうな相手だけど、トランプでインチキをしてる場面から始まるくらい、お金への関心が強いあたり、ゴールドマン・サックスのゴールドマン氏の名前をもじったのかなと思ったりする。(実際のゴールドマン氏がどんな人か知らないけど、ユダヤ系ドイツ人らしい。ゴールドフィンガー氏もドイツ系の俳優が演じてるんだな)

オッドジョブに限らず、東アジア系の手下がゴールドフィンガーにはたくさんいる。戦前はペーター・ローレが日本人探偵を演じたりしたけど、ドイツと東アジア特に日本のイメージはこんなふうに変わったわけだ。

2016年に見たときよりも、見えてくるものがあるなぁ。この6年で2000本は見たもんな、映画・・・。