映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ケネス・ブラナー監督「ベルファスト」3478本目

冒頭に流れる歌がパワフルで、ヴァン・モリソンみたい、と思ったら当人だった。ちょっと声が細くなったな。頑固で純粋な彼のキャラクターが北アイルランドらしさなのかな。

広がるヨーロッパらしい風景、まだ見ぬベルファスト。言葉はアイルランドなまりで、「アイルランド人」たちとの違いは私には何もわからない。世界中にいるアイルランド系の人たちは、冒険心だけで海外へ散ったんじゃなくて、宗教闘争を避けた人が多いんだろうか。

昔、ボニーMの「ベルファスト」っていうヘビーな曲があって、ディスコヒットのイメージだったけど、調べてみたらあれもプロテストソングだな。しかしプロデューサーが西ドイツ、メンバーはオランダ領のカリブ海諸島などから集められていてインタビューはスペイン語、唯一の男性メンバーは実は歌ってなくてあの声はプロデューサーだった、とか、なんか調べれば調べるほど頭が混乱してくる。小学生の私が戸惑うほどセクシュアルだったけど、当時バカ売れしてたなぁ(このくらいでこの話は止めなければ)

さて。この映画はアルフォンソ・キュアロン「ROMA」と同一ジャンルだ。すごい良いんだけどこんなにノスタルジックでいいんだろうか。どうも、ケネス・ブラナー監督作品って、「オリエント急行」も「ナイル殺人事件」も、私にはほんの少し「盛りすぎ」なんだ。シェイクスピアを子ども用に演出してるみたいに、わかりやすい盛り上がりを作り過ぎてて、腹にドカンとこない。。。映画を3000本も見たおばちゃんだからそう感じるんだろうな、きっと。

またUKに行けたら、リバプールとベルファストには絶対行きたいな・・・。