映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

フリッツ・ラング監督「外套と短剣」3526本目

フリッツ・ラング監督の未見の作品は、見つけ次第片っ端から見る。これはレンタルDVDにあったやつ。

ラング監督らしい、ゾクゾクさせる映像がときどきあるけど、最初のドキドキが最後までは続かないなぁ。ドイツ語がしゃべれる核技術の研究者がアメリカのスパイとなってスイスの研究者を救いに行く。次にイタリアの研究者を救いに行き、裏をかかれて・・・。

スイスで出会う大人の女性が意味深だけどすぐに出番が終わり、イタリアへ乗り込んだ列車で出会う女性がやがて主人公と恋に落ちる。このあたりから、ゴール=映画の終わりの救出/脱出に向けての成り行きはあまり新鮮味がないのは、その後の作品を見すぎてるのと、戦後すぐの1946年の作品なので、微妙な気遣いがまだあるからだろうか。

ゾクゾク感が最初から最後まで持続する未見作品、ないかなぁ。