映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ミケランジェロ・アントニオーニ監督「赤い砂漠」3558本目

見た人の多くが「難解」「わからなかった」「モニカ・ヴェッティ美しい」と書いていて、おおむね同感です。

1回流して見て「???」となったので2回目に見てみてもやっぱり謎だったけど、霧の中で彼女が港をさまよう映像は不条理劇の雰囲気で、イタリアン不思議ちゃんとしても彼女の不安定な美しさに酔いしれればいい映画なのかもしれません。

この不安、あれですね、ジョン・カサヴェテス「こわれゆく女」とかポランスキー「告白小説、その結末」。どれもいい映画だけど、ジーナ・ローランズもエマニュエル・セニエも安定感がにじみ出てる気がする一方で、モニカ・ヴェッティは確かに不安定に見えます。この役はアリダ・ヴァリやソフィア・ローレンやモニカ・ベルッチではないよなぁ。

「情事」は見たけど「欲望」と「太陽はひとりぼっち」見てないので三部作コンプリートしたくなりました。

赤い砂漠(字幕版)

赤い砂漠(字幕版)

  • モニカ・ヴィッティ
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