映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ミケランジェロ・アントニオーニ監督「欲望」3559本目

主役はヴァネッサ・レッドグレイヴ!?なんで彼女が(私の世代だと、強いおばさん~おばあさん役で馴染んでる)イタリア映画に?

でも冒頭からスウィンギン・ロンドンな感じで、イギリスが舞台の作品なんですね。デヴィッド・ヘミングスっていかにもロンドンっぽい顔立ちというか輪郭。この時期の彼と、若い頃のテレンス・スタンプとジュード・ロウの写真を並べると、私が言う「ロンドンっぽい」の意味がおわかりいただけるかと・・・。(女性ではサラ・マイルズ~ヘレナ・ボナム・カーター~エミリー・ワトソンの系譜)

ヤードバーズの「レモンパイ」じゃなくて「Train kept a rollin」じゃなくて「Stroll on」のライブ映像でジェフ・ベックとジミー・ペイジが演奏してるのが、この映画の最高の場面じゃないかしら・・・。この演奏聞いたことある、と思ったけどバージョン違いだったわ。ニヒルなジェフ・ベックが、ギターの調子が悪いのに腹を立ててピート・タウンゼントみたいにギターを叩き壊す演技なんて。稀有。出演を断ったというザ・フーが出てたら、さらにロンドン感というかモッズ感が高まってただろうけど、この映画にはヤードバーズのほうが合ってる気もします。いやーカッコよかった!!

しょっぱなに出てくるマルセル・マルソー軍団みたいな人たちが最後にも車で繰り出してきてエア・テニスをやるのも面白かった。でも意味わからなかった・・・。

え、ジェーン・バーキン出てた?ヤードバーズ出演場面を見直そうと思って頭からもう一度見てたら、クレジットに名前が。写真を撮ってほしいギャルの中にいたのか・・・(早送り中)・・・いた。やっぱり写真を撮られたいギャル1「Blonde」だった。口が半開きでロンドンアクセントで可愛い・・・。二回目の登場では試着した服を脱がされて、最後は全裸で暴れまわります。(楽しそう)

これもまた、不条理劇として面白かった(興味深かった)です。難しく考えないで、頭を空っぽにして見た方が楽しめるのかも。

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