映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ユーロス・リン監督「ドリーム・ホース」3560本目

いいなぁ。こういう映画、好きです。さすがRotten Tomato観客評価97%。友達がご招待された試写会にくっついて行って、「ウェルシュケーキ」のお土産までいただいたから誉めてるわけじゃないですよ!

なんとなくションボリした英国のある町の人々が、がんばって何かを成し遂げる物語、という意味で「フル・モンティ」を思い出したけど、こっちは実話です。それに生身の馬が主題なので、彼ら(彼女たち?)の美しさ、可愛さや演技のうまさ(なのか?)にも引き込まれます。

「ドリーム・ホース」ってタイトル、ベタな感じだけど原題そのままです。そもそも、主役の馬の名前がドリーム・アライアンス。そういう素直な、実直な映画です。

人間のほうの主役はトニ・コレット。といえば、超怖いホラー映画「ヘレディタリー継承」で恐怖や憎悪のすごい表情をたくさん見せてくれた人だ。彼女の豊かな表現が、この映画でも、レースの勝敗にヒヤヒヤドキドキ、家族のことで胸がいっぱいになったりがっかりしたり、と物語を進めていくんですよね。彼女こんなにブリティッシュアクセントだったっけ?と思ったら、オーストラリア出身なんですね。アメリカよりはイギリスにアクセントが近いかも?日本で関東出身の俳優が東北弁で演技するようなものか?

わざとらしさや、あざとさが少なくて、本当に気を抜いて安心して最後まで楽しめる作品です。忙しい人ほど、こういう映画を見る時間、作ったほうがいいですよ~。