映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ミケランジェロ・アントニオーニ監督「太陽はひとりぼっち」3561本目

モニカ・ヴィッティがもはや気だるい美女にしか見えないという刷り込みをさらに深める作品。でも「赤い砂漠」よりは笑顔が多い気もする。

アフリカの人のまねをするのは、彼らのエネルギーに惹かれるからか。彼女は一貫して意志や考えなしに、流されていきます。株価は大暴落し、なんとなく未来に希望を持てない世界。最後の最後の、ほぼ無人の町の風景は終末観が漂っていて、未来のディストピアSF映画か昔のATG作品みたい・・・。イタリアはあんなになんでもカラフルなのに、まるで違う国か違う星のようで面白かったです。