「パラレル・マザーズ」と同時上映してた短編。(別料金だけど)
アルモドバル監督vsティルダ・スウィントン。(「デッド・ドント・ダイ」の、と言いたい。いつも印象強いけどあれは秀逸だった)
これも「パラレル・マザーズ」も、劇場で見るとアルモドバル監督の作品の色彩は強烈に感じられるなぁ。
この作品は、別れを受け入れられず男からの電話を待つ女が狂おしくなっていくという原作を、その場面だけを、作ってみたかったんだな。アルモドバル監督の女性たちはエキセントリックなのだ。普通の市井の人が多いけど感情が激しい。電話というシチュエーションがあって、声だけに縛られてどんどん視野が狭まって気持ちが高ぶっていく。
氷のような存在感のティルダ・スウィントンが、ここで自虐に走ったらなんとなく違う気がする。氷が炎を生み出すから、彼女の思いの強さが燃え上がる効果があるんじゃないかな。
そして、アルモドバル監督作品は、激情にかられた人々もどこかサラっとしている。重苦しくない。美しくドラマチックに狂った女性の短くてちょっと面白い作品でした。