映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

林海象監督「BOLT」3580本目

林海象監督の映画って、VODやDVDレンタルで見られないものが多い。「濱マイク」が昔大好きで、テレビシリーズはDVDでレンタルして何度も見たけど、映画化作品は見逃したものもけっこうある・・・。

監督が事故で大けがをしてずっと療養してたことも知らなかったんだけど、「復活祭」というイベントがあるとのことで、昨日私も参加して2本見てきました。

最初の1本が「BOLT」。百万ボルト、みたいなサイバーパンク的な作品かと勝手に思ってたら全然違った。①放射能が漏れ続けるボルトを締めに行く命がけの男たちと、②「特殊清掃」に従事する男が見た幻、③謎の修理工場に現れる女、のドラマでした。

①は熱い人間愛もあるんだけど、何より映像が妙にリアルで無機的で最高でしたね。やっぱり林監督だ!このロケは高松市美術館で行われたヤノベケンジ展「シネマタイズ」をそのまま使って行われたんですね。前知識なしで見たので、(これどうやって撮ったんだろう・・・ハリウッドじゃあるまいし、全部セット組んだらとんでもなくお金かかるだろうな・・・)と思ってたらそんな仕掛けがありました。しかし、若者チームを行かせまいとする中年チームの佐野史郎、永瀬正敏、なんかちょっと疲れて見えて現役感が感じられなかったなぁ・・・。

②、③もストーリーはすごく意外とかではないんだけど、とにかく絵作りが最高ですよね。美術作品として心を持っていかれる映画、というジャンルがあると思っていて、やっぱり林作品は素晴らしいのでした。