映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

リーアム・ファーメイジャー 監督「スージーQ」3587本目

(「ワイルド・ワン」を頭の中で思い出してると、途中から榊原郁恵の「夏のお嬢さん」になってしまう人、私以外にもいませんか?)

ランナウェイズより前にヘビーな女性ロッカーといえばスージー・クアトロしかいませんでした。なんてカッコいいんだろう、しかもあの小さい体に大きなベースだよ?なんてキュートでクールなんでしょう。

すぐ前に見たリンダ・ロンシュタットのドキュメンタリーと途中からごっちゃになりそうになるけど、スージーのほうは他のジャンルの音楽というよりテレビドラマや舞台に挑戦したんだな。クールな部分も含めて、確かに彼女には愛されるスター性があるので、向いてたと思うな。姉妹バンドの中で彼女一人がスカウトされてデビューというのは、禍根を残した一方、スターっていう幸うすい仕事の辛さを理解してくれる人がいなくて、そうとう孤独だったんだな。

彼女はロッカーだったけど、今みたいにすでに女性ロッカーがこんなにたくさんいる時代に生まれていたら、逆に女性初のプロスポーツ選手とか、何か別のものになったかも?今までにいないから強烈に憧れるのかもしれない。

私が1960年代に15歳だったら、真剣に彼女になりたいと思い詰めたかな・・・。スターの不幸なんて何も知らなかった時代に戻りたいような、戻りたくないような、不思議な気持ちです。