映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

バンジョン・ピサンタナクーン 監督「女神の継承」3645本目

<結末に関する個人的な洞察が含まれています>(というほどのものではないけど)

本格的な作り込んだホラー映画(「ヘレディタリー継承」みたいな)かと思って、時間と心の余裕のあるときまで見るのを取っておきました。素朴な郊外の風景をそのままドキュメンタリー風に撮った作品・・・いや違う、これはタイ版「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」か「パラノーマル・アクティビティ」か、「リング」か。だってここ数年でタイ映画といえば「バッド・ジーニアス」とか「2gether」みたいな、韓流ふうに洗練された作品を何本も見てるし、ミンのルックスは韓国のガールズ・グループにいてもおかしくない。普通のきれいな女の子が突然土着の”女神”に召喚される違和感。これはクレバーな人たちが作った映画だわ。

全体的にピンクがかったグレーで常に覆われた画面。流血の場面や赤いろうそくの赤。こういう色調が、リアルでありながらちょっと異世界を感じさせる雰囲気を作ってますよね。結果とても怖い映像になっているけど、この怖さは「画面が暗ければみんな怖い」横溝正史シリーズや、意表をつかれたショックも大きい清水崇作品とかにも通じの、方法論の勝利なんだな。

最初は巫女の叔母が中心人物かなと思ったけど、ミンがどんどん異形になっていって、叔母はフェイドアウト・・・ミンを演じたナリ・・・ナリ・・・ナリルヤ・グルモンコルペチの演技力は、リンダ・ブレアもびっくりですね。ググってみたら、この映画見てね!っていう可愛いメッセージ動画があったりして、、印象が(笑)

で結局、憑依していたのはヘブンリー・ミートなのか過去の犠牲者たちなのか。。みなさんの感想を読んでたら「哭声」をまず見なきゃ、と思いました!

女神の継承(字幕版)

女神の継承(字幕版)

  • ナリルヤ・グルモンコルペチ
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