映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

山口淳太監督「ドロステのはてで僕ら」3765本目

「リバー、流れないでよ」が面白かったので、前作も見てみました。

最初すごく戸惑った!なんで、いつこの主人公は2分間の仕組みを知ったのか?・・・謎は謎のまま、とにかく映画は進んでいきます。この映画でも、藤谷理子のふつうすぎる自然な演技で、「ああそうなのか」と引き込まれる効果が強いです。あと私が気になって仕方ないのは酒井善史・・・彼が私にはモンティ・パイソンのマイケル・ペイリンに見える。愛想のいい好青年ふうを装ったイカレポンチ、的な存在感でつい注目してしまいます。

「リバー」同様この映画も、アトラクションに乗ったら最後まで笑いながら転がされる感じがすごく気持ちよくて、実によく仕組まれた作品だなぁと思います。

2分間の仕組みをいつ主人公が知ったかは、二度見返してみてもやっぱりわかりません。この感じ、いまどき流行りの不条理コントだと思えば、設定の説明がないのも普通だけど、老人や不慣れな人々の違和感は強いかもしれません。あと、タイトルの「ドロステ」はググったらわかった(スパムメールのスパムみたいな、商品名がのちに別の事情を表すのに使われてそっちがメジャーになっちゃったやつ)けど、いくらなんでも内輪受けっぽくないか・・・?イケてる、かもしれない、もっとわかりやすい平凡なタイトルをつけるのなんてまるでイケてないのかもしれない。でも、もう少し私にもヒットするタイトルだったら、私でも4年前に「おっ?」と思って見てたかもしれない。・・・そういう意味で、「リバー」のほうが凡人の私にも入っていきやすかったと思います。

きっと「2分間もの」以外にも面白い作品があるはず。見つけたら見てみよう。