映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ジョニー・トー監督「過ぎゆく時の中で」3786本目

<結末にふれています>

とてもベタで懐かしさのある作品で、見ているとなんだか温かい気持ちになります。この監督のデビュー作なんですかね?作っている人の朴訥なやさしさまで伝わってくるような気がします。

どなたかも書いていたけど、最後をアンハッピー・エンディングにする必要のないストーリーで、「事故が親子三人を一つにした!」でいいと思うんだけど、原題は「Ah Longのすべて」なので、彼の生きざまだけでなく死にざまも描きぬきたかったのかな。

それにつけても事故がしつこい。ぶつかって惹かれて、その後も何度もぶつかってひかれて、最後は爆発炎上までしてしまうので、彼女の腕の中で息絶えることさえ許されません。この演出をしたとき、監督はいったいどういう心境だったんだろう。多分、「いい映画だったけど最後だけはないよ」と映画仲間や家族に言われまくって、その後の作品にはそれが反映されたのではないかと勝手に想像しています。(違ってたらゴメン)