映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ジョージ・ミラー 監督「マッドマックス:フュリオサ」3864本目

これも面白かった。「怒りのデスロード」の、人間がエネルギー源としてつながれていて、ヘビメタのギタリストが乗ってるとんでもない戦闘車のインパクトがあまりに衝撃だったので、それに比べれば、その世界観にもう慣れていることもあってインパクトはだいぶ弱まってました。

シャーリーズ・セロンのフュリオサは、あの映画でかなり強烈で魅力的なキャラクターの一人でしたが、今回はアニャ・テイラー・ジョイと、少女時代をアリーラ・ブラウンが演じています。この少女時代のフュリオサが、可愛いのに怖くて最高です。野生のこどもの狂気、みたいで。将来が楽しみ。アニャは「大きくなったらちょっと鋭さが丸くなった」ような感じがあって、十分に強いんだけど佇まいはアリーラに軍配をあげたいです。

一方、クリス・ヘムズワースって2016年のゴーストバスターズの印象が強くて、無駄にイケメンで強そうだけど弱いヤツ、みたいな先入観で見てしまうので、最初からどうもギャグになってしまうんだけど(そんなところがすごく好き)、実際、優しさというか下心というか、結局残酷になり切れないクリスでした。

オーストラリアの底力を見せつけつづけてくれるこのシリーズ、「デスロード」を見たときは大笑いして楽しんだだけだったけど、この世界を構築して維持するとんでもないエネルギーに、もうとにかく脱帽です。